2015年9月10日木曜日

2015年度 夏合宿 第2日目

失礼します。
慶應義塾體育會少林寺拳法部1年の蜂屋啓介です。
夏合宿2日目の練習についてご報告させていただきます。

この日は朝から雨が降っていました。例年通り午前中はテニスコートでランメニューの予定でしたが、コートのコンディションが悪く道場での練習となりました。

まずはアップとしてサイドジャンプとミットラッシュから始まりました。しかしアップなど名ばかりであり実際にはトレーニングです。サイドジャンプを終え、フラフラの足でミットを蹴っていると笛が鳴りやり直しを命じられました。容赦なく何度もなる笛に心を折られそうになりながらも、先輩方、同期と声を掛け合ってなんとか乗り越えました。
その後もひたすら筋トレです。午前中道着を着ることはありませんでした。我々は一体何部の合宿に来たのでしょうか。

午後も午前と同じメニューのアップから始まりました。
アップが終わった直後、1年谷の「普通に数間違えちゃった(笑)」との発言に幹部陣がざわつき、我々の間に緊張が走りましたが、不正はなかったとの判断。一同安堵です。

アップの後は1年は千本蹴り、2、3年生の先輩方は山中湖走と分かれました。
この千本蹴りは我々1年にとって2日目にして最大の山場です。今年度は主将鶴田先輩と副将栃元先輩の指導のもと行われました。

千本蹴りとは簡単に言えば「ひたすら突き、蹴る」というもの。こう聞けばシンプルにも思えますが各メニュー200回、気合やスピードが落ちると即やり直し、頻繁に行われる罰としての腕立て伏せ、ラグジャンという内容はまさに地獄でした。

途中何人もが足をつるなどしました。私も途中で倒れ少しの間見学をしておりました。これだけ辛い練習、見学は貴重な休憩でもあり普通なら喜んだかもしれません。
しかし抜けた自分の分まで必死に蹴り上げをする同期の姿を見ていると、すぐに涙がこみ上げてきました。情けなさとも申し訳なさともどこか違う感情になり、どんなに辛いトレーニングも笑顔でこなそうとしてきたにも関わらず初めて号泣しました。この後入れ替わりで足をつり抜けた同期も泣いていたそうです。きっと同じ気持ちだったのではないでしょうか。

その後回復し、どうにか助け合いながら一通りの突き蹴りが終わると、先輩から1人1つパイプ椅子を自分の目の前に立てるように指示されました。ここからはひたすら開足中段での蹴り上げです。誰かがパイプ椅子に足を引っ掛けたら即やり直しというルールで本数は1000本。どう考えても常軌を逸していました。必死で蹴り続けましたが、200回か300回程蹴るたびに誰かがミスしてしまいます。皆身も心も限界に近い状況でしたが、誰もミスした者を責める気持ちはなかったでしょう。この時には「全員で乗り越えよう」という意志が全員の心の中にありました。互いに声を掛け合い、皆最後まで笑顔でやり続けました。

とうとうこのメニューが終わり、全員が達成感に包まれていました。しかしすぐに「次のメニュー行くぞ。向こうにパイプ椅子を円にして置いて、全員その後ろに立て」と言われ、フラフラの私は正直絶望しました。言われた通り立っていると栃元先輩が私たちにコップを渡しました。呆然としていると今まで真剣な眼差しで我々を見つめ、幾度となく大声をあげた栃元先輩がふっと笑顔になり「お疲れ様」と言いました。そして飲み物を下さいました。ええ、こんなの泣くに決まっています。皆涙を流しながら千本蹴りを終えた感想などを語り合いました。

私が千本蹴りを越えて最も強く感じたのは同期の大切さです。この練習は1人では絶対に越えられませんでした。途中で抜けて見ていなければならなかった時間や互いに応援し合ったこと、そして何より全員が全力でやりきったことを経て、当たり前に思える58期の同期の存在を本当にありがたく感じました。このような練習を共に乗り越えた同期とは今後どんなことも乗り越えていける確信があります。
また同時に日頃どれだけ先輩方に助けられているかということを感じました。1年しかいない千本蹴りでは当然気合も応援も1年だけで行わなくてはなりません。いつも私たちを支えて下さる先輩方に感謝しつつ、自分に後輩が出来た時にどうするべきかということも考えさせられました。
私はこれからの人生、千本蹴りで感じた全てのことを決して忘れないでしょう。今こうして文字にしているだけで思い出して涙が溢れてきます。

さて2日目でこの達成感です。
残りが消化試合にならないかと思いましたが、要らぬ心配であったことは次の日すぐにわかりました。

以上で夏合宿2日目の報告を終わります。
失礼しました。

慶應義塾體育會少林寺拳法部1年 蜂屋啓介

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