2018年8月23日木曜日

2018年度 夏合宿 3日目

失礼いたします。
慶應義塾體育會少林寺拳法部一年の髙橋良希です。
夏合宿3日目の活動について御報告いたします。

朝6時半にセットした目覚ましに起こされると同時に、激しい筋肉痛と朝を迎えてしまった事実の二つの苦痛が私を襲いました。同期の皆で『今日も耐えるべ!』とお互いを励まし合い、軋む躰に鞭を打ち、朝食の準備をすべく食堂に向かいました。

この日も朝からサイドジャンプ100往復という地獄のアップメニューから始まると思いきや、昨日の三年生の“気合い”のおかげかアップのメニューが縄跳びやミットラッシュ等に変更されていました。メニューが多少変わったところで地獄のアップはやはり変わらず、四年生は辞書で“ウォーミングアップ”という言葉の意味を調べた方がいいと心の中で思いました。アップを終えた後、麻田先生がお見えになり白帯茶帯の級拳士は昇級試験を行い、他の有段者達はテニスコートでのラントレをおこないました。

昇級試験の内容は既に日吉の通常練習時に習っていたので、難なく終わり、寧ろ連日の激しいメニューで全身が筋肉痛で悲鳴をあげていた為、昇級試験はのんびりとした休息時間の様に感じました。給水時間も「30秒」などという鬼畜な制限もなく、ゆっくりと取れと麻田先生は指示を下さり、先生のお気遣いに感謝しかありません。連日行ってきた筋トレメニューをこなしている際は自身が筋トレ部の合宿に来たのかと錯覚しましたが、久し振りに少林寺拳法をする事が出来て大変有意義で楽しい時間でした。

白帯の一年生が“前受身後ろ受身”もとい“前回り後ろ回り”をしている一方で、テニスコートに向かった有段者達はインターバル走と馬跳び、片道ダッシュ、リレー等のラントレをこなしました。リレーは2チームに別れ、負けたほうが罰ゲームというものでしたが、四年生の宮崎先輩が転けた影響でチームが敗北した為、宮崎先輩も巻き込みでラグジャンを全員でやったそうです。

午前の練習を無事に終え、至福の昼休憩時間を挟み、私達は再びT-boxへと向かいました。“ウォーミングアップ”を終え、1年は《千本蹴り》、2〜3年は山中湖ランを行いました。山中湖ランに向かう先輩達に「頑張れ、負けるなよ」と肩を叩かれ、T-boxには一年生と主将蜂屋先輩と副将宮崎先輩が残され、心がざわつくのを感じました。心の準備をする間も無く、蜂屋先輩の号令のもと、千本蹴りが始まりました。少林寺拳法の基本練習で行われている突き蹴りの各メニューを其々100単位で行いました。気合いが落ちれば即やり直し、フォームが崩れてもやり直し。正しい姿勢で、正しい突き蹴りを行わなければ終わらない。連日の疲れも相俟って、やり直しを喰らえば尋常では無い数の突き蹴りを行う事になり、徐々に自身の足の感覚がなくなってくのを感じ、最早根性だけで足を上げている状況でした。同期が死にそうな顔をしていれば、互いに鼓舞し合い、気合いで休息時間を作り、ミスを犯しても「どんまい!ファイト!」と励まし合い、皆の意志が一つになるのを感じました。千本蹴りの最中、最も苦しかった事は突き蹴りではなく気合いが落ちる事によって課せられるラグジャンでした。一度私の呼吸が落ち着かず声が出なくなった際に先輩の笛で中断させられ、私以外の同期がラグジャンをさせられる様を見て、悔しさと申し訳なさが込み上げ、胸が締め付けられるのを感じました。その後もミスする度にやり直しがかかり、ラグジャンをさせられました。然し乍ら、回数を重ねれば重ねる程、結束力が高まり、誰一人として諦めず、また他を批難する事もせず、終わりへと進んでいきました。時計を初日に奪われてから、練習中は時の概念を失っていましたが、唯一見える空の翳りが午後の練習の終わりが近づいていることを教えてくれました。椅子を蹴らずに直蹴りをするメニューを完遂した瞬間にこれまで感じたこともなかった達成感を感じました。もう終わると確信していたその後直ぐ蜂屋先輩に「次のメニューだ、椅子で円を作って囲め」と命じられたとき、絶望しました。そして各々が椅子の後ろに立ち構えた時、「お疲れ様〜!!」と蜂屋先輩の声。皆一瞬唖然とした表情をしましたが、“終わったのだ”と理解すると、緊張が解け他と同時に感動がこみ上げ、泣きながら互いに抱き合い、讃え合いました。四年生の怖かった表情も緩み、いつもの優しい先輩に戻り、ご褒美の飲み物とお菓子を頂き、千本蹴りの感想を皆で語らいました。最後に写真を部旗の前で満面の笑みで撮り、自分達の千本蹴りが終了しました。その後2〜3年生の先輩たちも山中湖ランより帰還し、私達を労ってくれました。

この千本蹴りを通して、普段から如何に上級生に助けられているか実感しました。そして同時に“同期の有難さ”を強く感じました。中でも一年生の中で唯一の有段者である千田には、白帯の初心者である私達を引っ張ってくれた事に、感謝が尽きません。この場を借りて感謝を伝えたいと思います。夏合宿に参加した一年生全員で“千本蹴り”という伝統恒例行事をやり遂げたことを大変嬉しく思います。前足底も精神も一皮剥けた3日目の練習でした。

明日は夏合宿の中日。1日オフを頂いているので、夏休みらしいことをしようと同期で色々考えましたが、“千本蹴り”で受けた心身のダメージによる限界を感じ、思ったよりも早めに床に就くこととなりました。

以上で夏合宿3日目の報告とさせて頂きます。失礼いたしました。
慶應義塾體育會少林寺拳法部一年 髙橋良希

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